転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜

「で、こちらがオリヴィア・キャンベル嬢。ニコラもよく知る公爵令嬢だ」
「ごきげんよう。お久しぶりですわ、ニコラ様」
「……ああ、久しぶり」

 苦手なんだよな……オリヴィア。同い年で公爵令嬢だから、会う機会は何度もあった。苦手だと幼い頃に親に言って、ラビッツたちのように遊んだりする機会はほとんどなかった。

 ただ、悪い子ではない。

 金髪で青緑の瞳。髪は下の方だけ縦巻きロールでゴージャスな印象だ。

「私はあまりこちらには参加しませんわ。私の助けが必要な時はいつでも言ってくださいませ。お力になりますわ」
「あのっ、オリヴィア様。ルリアン・ウィービングです。参加していただいて、嬉しいです。これからよろしくお願いします!」
「ええ。ルリルリさんね」
「は、はい!」
「ふふっ、よろしくね」
「はい!」

 そして、オリヴィアとラビッツが視線を交わし――。

「お元気そうでなによりね。ニコラ様と仲よくしているそうじゃない」

 オリヴィアには取り巻きか何人もいるし、情報も入りやすい。俺とラビッツが一緒に昼食を食べていたのも、耳に入っているのだろう。

「それほどでもないわ」
「とてもよくお似合いよ」
「……っ」

 品のないラビッツにはバカ王子がお似合いね、と暗に言ってるんだよな。

 本当はそんな関係に憧れを持っていて、オリヴィアルートに入ると可愛くデレるものの……ルートに入らなければパット見、鼻持ちならない女だ。正直、デレると可愛いと分かってはいても苦手だ。

 が、さすがにここは俺が和ませないと。

 心の中で深呼吸してから会話に混ざる。

「まぁまぁまぁまぁ。オリヴィア嬢が入隊してくれるなんて心強いなぁ〜! 頼りたい時は頼っちゃうからよろしくな。堅苦しいことは抜きにして、同じ隊員として仲よくやろーな」
「……そうね。では、もう私は行くわ」
「はわわ、もう行ってしまうのですか」
「馴れ合うつもりはないの。でも、学園の秩序の維持はとても大切だわ。必要な時はいつでも頼ってちょうだい。ではね、ルリルリさんも頑張って」
「はい! ありがとうございます」

 優雅に微笑んで、オリヴィアが立ち去ろうとするも――、

「ちょおっと待ったぁ!」

 ――ギィィィィ!

 掛け声と扉の軋みと共に、一人の大人の男性が現れた。シルクハットをかぶりマントをつけた赤と黒の手品師みたいな格好の先生だ。黒銀の鎖に結ばれたゴツいネックレスがぶら下がっている。

 この世界、建物や名前はいかにもなナーロッパではあるものの、魔法を使ったお手軽な発電システムもあって電気も存在する。服もナーロッパ風なのに異国の文化も入り込んでいて、さまざまだ。かなり前世に近い。

 そして、この茶髪で茶色い瞳の顔だけは地味な先生が、学園パトロール隊の顧問だ。