転生デビュー 〜おバカ王子とツンデレ悪役令嬢のジレキュンな日常〜

「恋愛もいいものかもしれないにゃんね〜」
「そういえばトラ、闇の深いマスコットキャラだったな」
「ニコラ王子、記憶力がよすぎるにゃんね」
「そうなんだ。すこぶる記憶力がいいんだ。さすが王子だよな」
「……反応に困るにゃん。次は人間もありかもしれないにゃんね」

 次、か。

 あったとしても、さすがに今回のように前世を覚えているとはいかないんだろうな。

「今を精一杯生きるのが、一番だな」
「どうしてその台詞になったのか分からにゃいけど、いい心構えにゃん」
「ラビッツと精一杯、これからはイチャイチャしようと思う」
「台無しになったにゃん」

 ――スパーン!

 久しぶりに、ラビッツの扇子が降ってきた。

「だから、そーゆーのはやめなさいって言ってるでしょう」
「ラビちゃん、最近は何もなくて少し寂しいって言ってたような――、」
「ぎゃー! ベル子、おだまりなさい!」

 ラビッツが悪役令嬢っぽくなったぞ!?

 そういえば、ゲームでは「ツンデレ悪役令嬢」が異名だったのに、ここでは俺だけが知る悪役令嬢になったな。

「んんっ、ゴホン。あのね、ニコラ。会話の流れっていうのがあるのよ。たまたまね、たまたま少しばかりそんな気持ちにね、ならないこともない時に、つい魔が差して言葉にしてしまうってことがあるでしょう。分かる?」
「大丈夫だ。俺とラビッツはツーカーだからな」

 と、答えておこう。そうか、ラビッツも寂しく思っていてくれたのか!

「そういえばそうでしたね。念力で全てを理解しているとおっしゃってましたね!」

 ルリアーン!
 記憶力がよすぎるぞー!
 それ、始業式の日の話だろう!

「ま、まぁな……」

 目が泳いでしまう。