ねぇ、リュークくん。
私はずっと楽しいだけの思い出がつくれなかったから、こうやって戻ってしまったんだって思ってたの。
バルトくんが学園にいたあの頃。
皆ともっと一緒にいたくて。
自分がもう生きていないことは分かっていたけど。誰にも私のことは見えないけど。でも、側にいたくて。
そうしたら、突然秋になったら私の姿が皆に見えたの。今まで一緒にいたことになって。記憶が一部書き換わっていて。でも、私が事故に遭ったことを皆も知っているから、気持ち悪そうな目をする人もいて……。
そして、バルトくんが夢結びの儀をして、皆の偽物の記憶は全部消えたんだ。
私は秋に思念体として現れて冬に消えただけの、もう亡くなった女の子になった。
私が消えなかったことを知っているのは、バルトくんと教頭先生と、古株の先生だけ。
他の人も噂では知っている。この校舎が旧校舎になったあたりから肝だめしに来る生徒が多くて、私が追い返すようになっちゃったから。怖がらせずに、やさしく出口へと導いた。
先生のことを皆が見えるのはズルいと思う。先生は「お前を見送るまで消えないと俺は決めているからな。お前は違う。消えたくないと願うのと同じ強さで、空に還らなければとも思っているんだろう」と言っていた。
そうなのかもしれない。
私は本来ならもういない人。
ここにいるべきじゃない。
そう思ってるから……こんなに不安定な存在になっているのかもしれない。
――リュークくんたちには、たくさんの思い出をもらった。
歓迎会もしてもらったし、学園のイベント「魔女の夜」や「魔法競技祭」にも参加させてもらった。学園からは出られないけど、すごく楽しかった。
私が事故に遭ったことを、皆知らない。知っている人も、知らないふりをしてくれる。だから、気持ち悪そうな目もされない。たくさん笑うことができた。たくさんはしゃぐことができた。
幸せな時間だった。
儚くて、でも私の心を満たしてくれた時間。皆やさしくて、当たり前のように私を受け入れてくれた。そうなるように、リュークくんやニコラくんも頑張ってくれた。そうして短くても濃密な時間を過ごして――。
ねぇ、リュークくん。
私はもしかしたら楽しいだけの思い出が欲しかったからここにいると思っていたけど……違ったのかもしれない。
本当にしたかったのは――……。
私はずっと楽しいだけの思い出がつくれなかったから、こうやって戻ってしまったんだって思ってたの。
バルトくんが学園にいたあの頃。
皆ともっと一緒にいたくて。
自分がもう生きていないことは分かっていたけど。誰にも私のことは見えないけど。でも、側にいたくて。
そうしたら、突然秋になったら私の姿が皆に見えたの。今まで一緒にいたことになって。記憶が一部書き換わっていて。でも、私が事故に遭ったことを皆も知っているから、気持ち悪そうな目をする人もいて……。
そして、バルトくんが夢結びの儀をして、皆の偽物の記憶は全部消えたんだ。
私は秋に思念体として現れて冬に消えただけの、もう亡くなった女の子になった。
私が消えなかったことを知っているのは、バルトくんと教頭先生と、古株の先生だけ。
他の人も噂では知っている。この校舎が旧校舎になったあたりから肝だめしに来る生徒が多くて、私が追い返すようになっちゃったから。怖がらせずに、やさしく出口へと導いた。
先生のことを皆が見えるのはズルいと思う。先生は「お前を見送るまで消えないと俺は決めているからな。お前は違う。消えたくないと願うのと同じ強さで、空に還らなければとも思っているんだろう」と言っていた。
そうなのかもしれない。
私は本来ならもういない人。
ここにいるべきじゃない。
そう思ってるから……こんなに不安定な存在になっているのかもしれない。
――リュークくんたちには、たくさんの思い出をもらった。
歓迎会もしてもらったし、学園のイベント「魔女の夜」や「魔法競技祭」にも参加させてもらった。学園からは出られないけど、すごく楽しかった。
私が事故に遭ったことを、皆知らない。知っている人も、知らないふりをしてくれる。だから、気持ち悪そうな目もされない。たくさん笑うことができた。たくさんはしゃぐことができた。
幸せな時間だった。
儚くて、でも私の心を満たしてくれた時間。皆やさしくて、当たり前のように私を受け入れてくれた。そうなるように、リュークくんやニコラくんも頑張ってくれた。そうして短くても濃密な時間を過ごして――。
ねぇ、リュークくん。
私はもしかしたら楽しいだけの思い出が欲しかったからここにいると思っていたけど……違ったのかもしれない。
本当にしたかったのは――……。



