柱:校舎裏の静かな通路・放課後
ト書き
夕日が長い影を落とす静かな廊下。
部活を終えた心音が帰ろうと歩き出した、その先に無言で歩み寄る颯真の姿。
足取りは速い。
まるで追いかけてきたようで、心音は思わず立ち止まる。
息を整えもせず、颯真はその場で言った。
颯真「……心音、ちょっと来て」
ト書き
心音、そっと頷いて、ついていく。
柱:同日放課後・非常階段前の踊り場
ト書き
夕暮れの光が差し込む静かな場所。
颯真は階段の手すりの前で立ち止まり、深く息を吐いた。
心音は、背中越しに伝わる緊張と熱に、喉がきゅっと締めつけられる。
ゆっくりと振り返った颯真。
颯真「……ずっと我慢してた」
ト書き
その瞬間。
心音の心臓がドクン、と大きく鳴った。
心音(心の声)「え……なにを……我慢して……?」
颯真「友達でいいって自分に言い聞かせてた。でも……無理だ。好きなんだ、心音が」
ト書き
もう隠しきれないとばかりに溢れ出す声。
心音は息を呑む。
胸がじん、と熱くなる。
颯真は拳を握りしめたまま、苦しげに続ける。
颯真「他の男子と話すのも……笑うのも……平気なふりしてたけど、全然平気じゃない。心音が俺以外を見てるだけで……胸が痛くなる。……怖いんだ」
心音(心の声)「……そんな……そんなふうに思ってたなんて……知らなかった……」
ト書き
心音、胸の奥がじんじんと熱くなり、息がうまくできない。
心音「颯真……」
ト書き
彼が一歩、心音へ近づく。
影が重なり、視線が絡まる。
颯真「ごめん、昨日のキス……本当はもっと先に言うべき言葉があった。でも、心音を前にしたら全部飛んだ。……俺、心音じゃなきゃ嫌だ。他の誰かに渡したくない。……だから、俺の彼女になってほしい」
ト書き
あまりに真っ直ぐで、苦しいほどに強い告白。
心音の胸に深く刺さる。
心音(心の声)「そんな言い方……反則だよ……泣きそうなくらい、胸が……熱い……」
ト書き
心音は涙がにじみそうになり、視線を落とす。
心音「そんなふうに……思ってたの?」
颯真「思ってた。ずっと前から」
心音(心の声)「怖いくらい真剣で、重くて……でも。胸の奥があたたかい……これって……」
ト書き
心音はそっと顔を上げる。
颯真の視線とぶつかる。
心音「……私も、好き……かもしれない」
ト書き
颯真の目がはっきりと揺れた。
颯真(不安で震える声で)「……かもしれない、じゃなくて。ちゃんと言って」
ト書き
心音はゆっくり息を吸い、覚悟を決めるように吐く。
心音「……好き。颯真が好き」
ト書き
言った瞬間、颯真は動きを止めた。
そして次の瞬間、彼は心音を抱きしめた。
強くではなく、壊れ物を扱うように、震える腕で。
颯真「……ありがとう……もう、離さない」
ト書き
心音はそっと腕を回す。
柱:同日・夕暮れの帰り道
ト書き
並んで歩く二人。
自然に指先が触れ、絡まり、しっかり繋がれる。
颯真は歩きながら、何度も横目で心音を見る。
見るたびにほんの少し顔が緩む。
颯真(小声)「……嬉しい……信じられない。心音が俺の彼女になるなんて……」
心音(心の声)「好きって……こんなに胸が温かくなるんだ。知らなかった……」
ト書き
戸惑いながらも、心音の表情は静かに幸福を帯びていた。
ト書き
夕日が長い影を落とす静かな廊下。
部活を終えた心音が帰ろうと歩き出した、その先に無言で歩み寄る颯真の姿。
足取りは速い。
まるで追いかけてきたようで、心音は思わず立ち止まる。
息を整えもせず、颯真はその場で言った。
颯真「……心音、ちょっと来て」
ト書き
心音、そっと頷いて、ついていく。
柱:同日放課後・非常階段前の踊り場
ト書き
夕暮れの光が差し込む静かな場所。
颯真は階段の手すりの前で立ち止まり、深く息を吐いた。
心音は、背中越しに伝わる緊張と熱に、喉がきゅっと締めつけられる。
ゆっくりと振り返った颯真。
颯真「……ずっと我慢してた」
ト書き
その瞬間。
心音の心臓がドクン、と大きく鳴った。
心音(心の声)「え……なにを……我慢して……?」
颯真「友達でいいって自分に言い聞かせてた。でも……無理だ。好きなんだ、心音が」
ト書き
もう隠しきれないとばかりに溢れ出す声。
心音は息を呑む。
胸がじん、と熱くなる。
颯真は拳を握りしめたまま、苦しげに続ける。
颯真「他の男子と話すのも……笑うのも……平気なふりしてたけど、全然平気じゃない。心音が俺以外を見てるだけで……胸が痛くなる。……怖いんだ」
心音(心の声)「……そんな……そんなふうに思ってたなんて……知らなかった……」
ト書き
心音、胸の奥がじんじんと熱くなり、息がうまくできない。
心音「颯真……」
ト書き
彼が一歩、心音へ近づく。
影が重なり、視線が絡まる。
颯真「ごめん、昨日のキス……本当はもっと先に言うべき言葉があった。でも、心音を前にしたら全部飛んだ。……俺、心音じゃなきゃ嫌だ。他の誰かに渡したくない。……だから、俺の彼女になってほしい」
ト書き
あまりに真っ直ぐで、苦しいほどに強い告白。
心音の胸に深く刺さる。
心音(心の声)「そんな言い方……反則だよ……泣きそうなくらい、胸が……熱い……」
ト書き
心音は涙がにじみそうになり、視線を落とす。
心音「そんなふうに……思ってたの?」
颯真「思ってた。ずっと前から」
心音(心の声)「怖いくらい真剣で、重くて……でも。胸の奥があたたかい……これって……」
ト書き
心音はそっと顔を上げる。
颯真の視線とぶつかる。
心音「……私も、好き……かもしれない」
ト書き
颯真の目がはっきりと揺れた。
颯真(不安で震える声で)「……かもしれない、じゃなくて。ちゃんと言って」
ト書き
心音はゆっくり息を吸い、覚悟を決めるように吐く。
心音「……好き。颯真が好き」
ト書き
言った瞬間、颯真は動きを止めた。
そして次の瞬間、彼は心音を抱きしめた。
強くではなく、壊れ物を扱うように、震える腕で。
颯真「……ありがとう……もう、離さない」
ト書き
心音はそっと腕を回す。
柱:同日・夕暮れの帰り道
ト書き
並んで歩く二人。
自然に指先が触れ、絡まり、しっかり繋がれる。
颯真は歩きながら、何度も横目で心音を見る。
見るたびにほんの少し顔が緩む。
颯真(小声)「……嬉しい……信じられない。心音が俺の彼女になるなんて……」
心音(心の声)「好きって……こんなに胸が温かくなるんだ。知らなかった……」
ト書き
戸惑いながらも、心音の表情は静かに幸福を帯びていた。



