ニコニコと楽しそうに笑ってくれるオズワルドに笑顔を返し、スプーンをドリアにさすと視線を感じた。
「あの、なにか」
「いや、初めて見る料理だなと思いまして」
そう言いながらじっと皿から目が離れない。
グレースは噴き出すのを堪えながら小皿を取ってきてドリアを取り分けた。
「お味見程度ですが、よろしければどうぞ。あくまで自分用に作った賄いですので、期待はしないでくださいね」
グレースにとってはごく当たり前の行動だったが、彼にとっては意外だったらしい。卑しかったかと羞恥に頬を染める姿もまた可愛くて、グレースは笑みを深め「どうぞ」と勧めた。
「おいしい。うん、これは店のメニューには出さないのですか?」
予想通りぱあっとオズワルドの顔が輝く。彼は溶けたチーズが好きなので、絶対これも好きだと思ったのだ。
「そうですね。オズワルドさんおすすめ! って書いて、メニューに出してみましょうか」
彼は時々大学で講義をする立場らしく、彼の生徒も来店する。仕事仲間らしい人も来る。オズワルドは彼らから尊敬され慕われている感じがするので、いい宣伝になるかもしれない。
「僕の名前が力になるならどうぞ」
「ありがとうございます」
(あと二年。この顔が見られたらいいなぁ)
分けたドリアのお礼にと、サラダを半ば押し付けられるように半分分けられ、和やかな食事の時間を過ごした。
二人きりの食事。グレースにとってはデートに他ならない。
借金を抱えたグレースに恋をする余地はないが、片思いやデートを夢見るくらいは自由だろう。
「あの、なにか」
「いや、初めて見る料理だなと思いまして」
そう言いながらじっと皿から目が離れない。
グレースは噴き出すのを堪えながら小皿を取ってきてドリアを取り分けた。
「お味見程度ですが、よろしければどうぞ。あくまで自分用に作った賄いですので、期待はしないでくださいね」
グレースにとってはごく当たり前の行動だったが、彼にとっては意外だったらしい。卑しかったかと羞恥に頬を染める姿もまた可愛くて、グレースは笑みを深め「どうぞ」と勧めた。
「おいしい。うん、これは店のメニューには出さないのですか?」
予想通りぱあっとオズワルドの顔が輝く。彼は溶けたチーズが好きなので、絶対これも好きだと思ったのだ。
「そうですね。オズワルドさんおすすめ! って書いて、メニューに出してみましょうか」
彼は時々大学で講義をする立場らしく、彼の生徒も来店する。仕事仲間らしい人も来る。オズワルドは彼らから尊敬され慕われている感じがするので、いい宣伝になるかもしれない。
「僕の名前が力になるならどうぞ」
「ありがとうございます」
(あと二年。この顔が見られたらいいなぁ)
分けたドリアのお礼にと、サラダを半ば押し付けられるように半分分けられ、和やかな食事の時間を過ごした。
二人きりの食事。グレースにとってはデートに他ならない。
借金を抱えたグレースに恋をする余地はないが、片思いやデートを夢見るくらいは自由だろう。



