「思います。私が客なら毎日通いたいです。いえ、絶対通います!」
店内をくまなく見ていたモリーはぐっとこぶしを握ると、目を輝かせながらそう断言した。
武骨な雰囲気だった壁はグレースたち自ら白く塗り直したため、以前とは印象がガラッと変わった。テーブルや椅子はタウンハウスにあったものをかき集め、カウンター席だけリフォームのとき一緒に作ってもらい、食器もしまってあったものを磨きに磨いた。
「ここに白い食器があったのは幸運だったわね」
「今流行ってますものね!」
王都で可能な限り歩いてみて感じたのは、東方風の白い食器と異国風の模様が流行ってるということだった。どことなく懐かしさを感じるのは、少し前世の世界を思い出させる雰囲気があるからだろうか。
(今なら目新しいものが受け入れられやすい時なのかも)
それならばと、グレースが家具の配置や小物も気を配った元厨房は、本来使用人だけが使うような場所だったとは思えない、温かで洗練された雰囲気に生まれ変わっている。
グレースが懸命に考えて手を入れるたび、モリーは夢を見るような顔で目を輝かせていた。
庶民になじみ深いカウンター席と、裕福な市民や貴族になじみのあるテーブル席が混在した店内。普通と違うのはテーブルにクロスがかかってないことだろうか。
「でもグレース様。本当にテーブルはむき出しのままなんですか? お客さんは、近隣の方を想定してるとおっしゃってましたよね?」
怒られたらどうしよう。
不安そうなモリーの表情からそんな彼女の心の声が聞こえたグレースは、安心させるように頷いて見せた。
店内をくまなく見ていたモリーはぐっとこぶしを握ると、目を輝かせながらそう断言した。
武骨な雰囲気だった壁はグレースたち自ら白く塗り直したため、以前とは印象がガラッと変わった。テーブルや椅子はタウンハウスにあったものをかき集め、カウンター席だけリフォームのとき一緒に作ってもらい、食器もしまってあったものを磨きに磨いた。
「ここに白い食器があったのは幸運だったわね」
「今流行ってますものね!」
王都で可能な限り歩いてみて感じたのは、東方風の白い食器と異国風の模様が流行ってるということだった。どことなく懐かしさを感じるのは、少し前世の世界を思い出させる雰囲気があるからだろうか。
(今なら目新しいものが受け入れられやすい時なのかも)
それならばと、グレースが家具の配置や小物も気を配った元厨房は、本来使用人だけが使うような場所だったとは思えない、温かで洗練された雰囲気に生まれ変わっている。
グレースが懸命に考えて手を入れるたび、モリーは夢を見るような顔で目を輝かせていた。
庶民になじみ深いカウンター席と、裕福な市民や貴族になじみのあるテーブル席が混在した店内。普通と違うのはテーブルにクロスがかかってないことだろうか。
「でもグレース様。本当にテーブルはむき出しのままなんですか? お客さんは、近隣の方を想定してるとおっしゃってましたよね?」
怒られたらどうしよう。
不安そうなモリーの表情からそんな彼女の心の声が聞こえたグレースは、安心させるように頷いて見せた。



