ある日、
ミレーヌとフィリップは
王都の外れにある診療所を訪れた。
そこにはとある病に侵された人々が収容されていた。
当時は不治の病とされていたが、
医療の発達によって治るようになった。
しかしこの病に侵された人々の多くは
顔や身体のいたるところに痘痕が残り、
人々から心ない差別を受けてしまっている。
伝染病ではないので
この病に罹患した人と接触しても
伝染ることはないのだが、
見た目の変化や今までのイメージによって
サバイバーたちは心ない差別を受けているのが現状だ。
その状況をなんとか打開しようと
動いているのがアリス王妃で、
彼女はこの施設を熱心に支援している。
この診療所は病の治療を行うと同時に
サバイバーたちに仕事を与えているのだ。
ミレーヌも熱心な支援者の一人で、
彼らの真の姿を知ってもらおうと
時たま施設を訪れては
サバイバーたちにインタビューをしていた。
フィリップの国ハイドランジアにも
この病に苦しめられている者たちがいる。
かつての彼はそんな彼らに見向きもせず、
支援の手を差し伸べるなんて
絶対にしなかっただろう。
でも今は違う。
ダンデリオン大公国で、
国民のために命をなげうった
清らかな修道女に出会った。
彼女なら迷わずサバイバーたちの手を握り、
励ましの言葉をかけただろう。
施設に足を踏み入れたフィリップは、
病で苦しむ患者の手を握り、
時には背中をさすってあげた。
床に膝をついて、
熱心に彼らの話を聞いていく。
その光景を見たミレーヌは震えた。
彼の背中が、
かつて批判した“権力者の傲慢”とは違って見えた。
この人は私が思っていた権力者とは違うのかもしれない。
ミレーヌとフィリップは
王都の外れにある診療所を訪れた。
そこにはとある病に侵された人々が収容されていた。
当時は不治の病とされていたが、
医療の発達によって治るようになった。
しかしこの病に侵された人々の多くは
顔や身体のいたるところに痘痕が残り、
人々から心ない差別を受けてしまっている。
伝染病ではないので
この病に罹患した人と接触しても
伝染ることはないのだが、
見た目の変化や今までのイメージによって
サバイバーたちは心ない差別を受けているのが現状だ。
その状況をなんとか打開しようと
動いているのがアリス王妃で、
彼女はこの施設を熱心に支援している。
この診療所は病の治療を行うと同時に
サバイバーたちに仕事を与えているのだ。
ミレーヌも熱心な支援者の一人で、
彼らの真の姿を知ってもらおうと
時たま施設を訪れては
サバイバーたちにインタビューをしていた。
フィリップの国ハイドランジアにも
この病に苦しめられている者たちがいる。
かつての彼はそんな彼らに見向きもせず、
支援の手を差し伸べるなんて
絶対にしなかっただろう。
でも今は違う。
ダンデリオン大公国で、
国民のために命をなげうった
清らかな修道女に出会った。
彼女なら迷わずサバイバーたちの手を握り、
励ましの言葉をかけただろう。
施設に足を踏み入れたフィリップは、
病で苦しむ患者の手を握り、
時には背中をさすってあげた。
床に膝をついて、
熱心に彼らの話を聞いていく。
その光景を見たミレーヌは震えた。
彼の背中が、
かつて批判した“権力者の傲慢”とは違って見えた。
この人は私が思っていた権力者とは違うのかもしれない。



