フィリップの活躍もあり、
王都を震え上がらせた連続女性誘拐事件は
無事な解決した。

エレーヌをはじめ、
無事に家族の元へ帰った女性たちがいた一方で
救出が間に合わず、
アロイス卿の犠牲となった女性たちもいた。

ユリウス国王の命令により、
犠牲となった女性たちのために
王都全体が喪に服すことに。

喪が明けた後、
ユリウス国王は事件解決の礼がしたいと
フィリップを王宮に招待する。
しかしフィリップは丁重に辞退した。
彼は静かにこの国を去り、
新たな旅を始めることを決意していたのだ。

旅立ちの朝、
見送りに来てくれたエレーヌは
フィリップに優しく告げる。
「あなたはもう“花”ではなく、“光”を見られる人になったのね。」

フィリップは微笑みを返し、背を向ける。
医者の言う通り、頬の傷跡は消えない。
しかし、それを隠すことなく、
堂々と歩く彼の姿に、
周囲は“真に美しい王子”を見出すのだった。