父の言うとおり、蒔田は嘘のない人間だった。
「紘花は、このとおり、真面目な性格で思いつめるところがあります」父は、小さく頭を下げた。
「深刻に考えすぎなんだよ」と、普段に近い口調で蒔田が言う。
「だって」彼女は、唇を尖らせる。
「なるようになるさ。考えすぎず思ったままにやってきゃ、なるようになるさ。考えるべきときが来たらそんとき考えりゃいい」
「そんな刹那的な考え方あたしにできるかなあ」
「考えるんじゃない。感じるんだ」
父親のまえでなんという台詞。
淫らな方向に考えた自分を、彼女は内心で恥じた。もういいや。
「あたし、先に寝るね。蒔田さんは」
「お父さんともうすこしお話をしたいのだが」
「お酒でも飲むかい、蒔田くん」
「はい。すこしは」
その場に蒔田を残していくのも悪いかもと思ったけど、こういうときは案外男同士のほうが話しやすいのかもしれない。そう判断し、二人に「おやすみなさい」と挨拶をし、彼女はその場を辞したのだった。
*
「紘花は、このとおり、真面目な性格で思いつめるところがあります」父は、小さく頭を下げた。
「深刻に考えすぎなんだよ」と、普段に近い口調で蒔田が言う。
「だって」彼女は、唇を尖らせる。
「なるようになるさ。考えすぎず思ったままにやってきゃ、なるようになるさ。考えるべきときが来たらそんとき考えりゃいい」
「そんな刹那的な考え方あたしにできるかなあ」
「考えるんじゃない。感じるんだ」
父親のまえでなんという台詞。
淫らな方向に考えた自分を、彼女は内心で恥じた。もういいや。
「あたし、先に寝るね。蒔田さんは」
「お父さんともうすこしお話をしたいのだが」
「お酒でも飲むかい、蒔田くん」
「はい。すこしは」
その場に蒔田を残していくのも悪いかもと思ったけど、こういうときは案外男同士のほうが話しやすいのかもしれない。そう判断し、二人に「おやすみなさい」と挨拶をし、彼女はその場を辞したのだった。
*



