好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!

 父の言うとおり、蒔田は嘘のない人間だった。

「紘花は、このとおり、真面目な性格で思いつめるところがあります」父は、小さく頭を下げた。

「深刻に考えすぎなんだよ」と、普段に近い口調で蒔田が言う。

「だって」彼女は、唇を尖らせる。

「なるようになるさ。考えすぎず思ったままにやってきゃ、なるようになるさ。考えるべきときが来たらそんとき考えりゃいい」

「そんな刹那的な考え方あたしにできるかなあ」

「考えるんじゃない。感じるんだ」

 父親のまえでなんという台詞。

 淫らな方向に考えた自分を、彼女は内心で恥じた。もういいや。

「あたし、先に寝るね。蒔田さんは」

「お父さんともうすこしお話をしたいのだが」

「お酒でも飲むかい、蒔田くん」

「はい。すこしは」

 その場に蒔田を残していくのも悪いかもと思ったけど、こういうときは案外男同士のほうが話しやすいのかもしれない。そう判断し、二人に「おやすみなさい」と挨拶をし、彼女はその場を辞したのだった。

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