好きバレ! 俺様上司の溺愛が止まりません!

「お父さん。来客用の布団勝手に出して敷いちゃうね」


「ああ、頼む」階段をのぼりながら声をかけると、台所に立つ父が答える。蒔田は風呂に入っている。お客さんだから先に入って貰った。

 どの部屋に敷こうか迷ったけど結局、自分の部屋に敷いた。

 別々の部屋に敷くのも、かえって不自然に思えた。

 一階に降りると、父が、茶をいれているようだった。彼女に気づいて父親が声をかける。「紘花も、飲むか。お茶」

「うん。お願い」

「……蒔田くんのぶんも用意しておくか。そろそろ風呂からあがる頃だろう……」

「風呂あがりだったら熱茶よりビールとかのほうがいいんじゃない」

「彼女の家でビールを飲む気にはなれんだろう」

「ああそうだ。蒔田さん割りとお酒に弱いの。だからさっき、あんまり飲まなかったじゃない?」

「ひとまず用意しておこう」

 彼女がお茶をお盆に乗せ、二人は和室へと移動した。

「蒔田くんは好青年だね」

 彼女は茶を噴きそうになった。「好青年? あんな黒ずくめなのに?」

「いいひとを選んでくれたと思っているよ。父さんはいろんな人間を仕事で見てきた。彼は、正直で、嘘のない人間だ」