「冬也!!」 「あ、来た。今日も可愛いね」 ぜーはーと肩で息をする私の向かいで、壁に背中を預けて笑っている男の子ひとり。 そこには想像通りお姉ちゃんもいて、腕を組んで私を見ている。 「10分早いじゃん!」 「早めの行動が大事だからね」 「あ……ぅ」 それを言われたら黙るしかない。 だって私が冬也に同じようなことを言った覚えがあるから。 冬也が高校にいた頃。 図書の仕事に毎日遅れてやってくる冬也に注意する意味で「早めの行動はお得感があっていいじゃないですか!」って、言った……気がする。