小さく聞こえてくるのはお姉ちゃんと冬也の会話。つまりは冬也が私の家の玄関にいる。
私の今の姿はほぼ裸。
「ウソでしょ……。私なにも準備してない……」
残されたのは脱ぎ捨てられた服たちと大焦りの私。そして楽しそうに話すお姉ちゃんと冬也。
きっと冬也はモデルみたいにかっこいい姿で玄関に立っていて、道歩く人みんなが振り返るような破壊力を持っているはずなのに私は……。
……人っていうのは焦ってパニックになってしまったら動けなくなるのです。
……
「ダメだ……固まっている暇じゃない!!」
パッとクローゼットをみると、そこで目に入った服を片っ端に取って着替える。そして予め準備していた荷物を持って部屋を飛び出した。



