───迎えに来てくれてもいいよ
───じゃあ明日は行くね。こんな可愛い子心配だから
私があんなこと言ったばっかりに……。
本当に迎えに来るなんて思ってなかったから思わず出てしまった言葉。冬也を挑発しようとしたのにまさか自分に返ってくるなんて思わないでしょ……。
冬也は一人暮らしだからいいよね、私は両親もお姉ちゃんもいるよ?冬也だってハードル高いはずなのにそんな軽々しく迎えに来るなんて───。
───ピーンポーン
そこでかすかに聞こえてきたのは家のチャイムの音。誰かが家を訪れた時に鳴らすあれ。
一瞬でガチガチに固まる。
まさか冬也じゃないよね?だってまだ10分早いし。
「あれぇー冬也じゃん」
その声にハッと顔をあげる。
「久しぶりだな彩葉(いろは)」



