本音がぽろって。
漏れた瞬間、視界がぐらぐら揺れて、あろうことか、じわっと涙が滲んだ。
え?
えぇ??
うそでしょ??
私冬也の前で泣くの??
そんなの、そんな醜い姿絶対に冬也に見せられないよ?
ここで泣くなんてあまりにも情緒オカシイ。私はこんな弱かった記憶なんてないのに。
「……、泣くほど条件決めて欲しいの?」
冬也のなかなか見たことない動揺っぷり。
そんな理由で泣く人なんて見たことないよ。でもなんて言い訳すればいいのかも分からない。
「う、ん。だから冬也決めて」
「……、…」
一拍おいて、涙が溜まった目頭に優しく指で抑えられる。自然と瞼も閉じた。
「じゃあ、デートしようか」
暗闇の中で冬也の声が響く。
「明日デートしてくれたら3日間吸わないであげる。有効期限ね」
瞼をあげた目の前には、さっきまで私に触れていた指でクッキーを摘んで食べている冬也。
きっと今日も、心臓を狂わされた。



