「冬也、私はお菓子を食べに来たんじゃない」
「そう、じゃあなにしに来たの?」
「それは──…むぅ!!」
話してる途中に口に突っ込まれたクッキー。
冬也自作のチョコチップ入りだ。
私が大好きだから冬也は沢山作ってくれる。でも今は私の邪魔をしてくる──敵。
仕方なく口に飛び込んできたクッキーをサクッと噛んだら冬也は楽しそうに笑ってる。
「俺から見たら美味しそうにクッキー食べてるようにしか見えないけど?」
それは君が無理やり口に入れてくるからですよね……?
あまりの無責任発言に驚いていると、私の口元にはまたもや2色に彩られているクッキーが運ばれてくる。
「昨日の条件、のこと?」
「そう!!」
なんだ、わかってるじゃん!
話がやっと通じたことに興奮して、机に体が乗り出す。冬弥との距離がぐっと近づいた。



