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ガチャッ。
「鍵、返してきます」
閉館時間になって、責任もって戸締りしていると
後ろから聞こえた声に振り返る。
私に向けて手のひらを向けている神崎くん。
神崎くんのこうゆう所から頼りやすさを感じるんだよね。
「神崎くんは絶対疲れてるから大丈夫」
「最近は八尋先輩の回数が明らか多いです。
これじゃあフェアじゃない」
……これは出世するタイプだ。
神崎くんの恐るべし……。
そのこと言われたら私はこれ以上何も言えなくなってしまう。策士だ。仕事できるタイプだ。
「……じゃあ、よろしく」
「すっごい不服そう」
そりゃあ不服ですよ。いつも助けてもらってばっかの後輩にいい顔できるかと思ったら粉砕したんですもの。
「早く貸してください」
「……はい」



