よく見てみたらすでに図書室には私たち二人しかいない。小さな声で話しているはずなのに、やけによく響く。
外でついさっきまで聞こえていた掛け声もすっかり遠くに行ってしまっていた。
静かな所は大好き、だから図書室はすっごく落ち着く。
「喧嘩は仲直りしましたか?」
横からそんな声が聞こえて、顔を向きなおすとカウンターに肩肘ついて私を見ている神崎くん。
「仲直りしてるような、してないような……?」
「もっと複雑化してるじゃないですか…」
「本当に複雑で意味わかんない…」
昨日の出来後はワンチャン夢なのではないのかな?
じゃないと色々考えないといけないことが倍ぐらいに増える。
タバコのこともだし、突然の条件のこともだし。
もう受け持つ問題多すぎてイヤ……。



