……だって色んな大学調べれば調べるほど分からなくなっていくもん。


机にほっぺをペタっとくっつけて絶望していると結花が頭にファイルを乗せてくる。



「みんな不思議に思ってますよ。成績優等生の八尋叶葉が何故こんなに進路に迷ってるのか」


「何でもなにも、行きたい大学がないからです」


「嘘言え。本当は心に決めている大学があるでしょ!」


「……ない」


「それあるやつの言い方だから」



もう結花いやだ。
すぐに私の心読もうとするんだから。


結花がポンとファイルで私の頭を軽く叩いて、呆れたみたいにため息つく。



「瑞峰(すいほう)大はどうしたのよ」


「……そんな大学知らない」


「知らんわけあるかい!」