「行かない方がいいのかな?」

「私としては毎日彼氏の家に行く方があり得ない状況だからね」

「確かに……」



考えてみたら毎日家に人が来るって大変だったかな。
私も受験生。
控えてもいいかも。




キーンコーンカーンコーン。


ホームルーム開始のチャイムが鳴って、結花はそのまま前へと向き直った。


それとほぼ同時に入ってきた担任の橘先生こと、ちばちゃんが何やら小さめの紙を配り始める。



「毎度の事ながら、これ進路調査票な」



第一志望から第三志望までが書かけるようになっている小さな紙。


私を毎回毎回悩ませる紙でございます。



「真剣に考えろよー。特に八尋」

「なっ、名指し!!」

「前回お前一人だからな。提出遅れて、しかも第一志望しか書いてなかったのは」

「そ、それはぁ〜……」