私と彼と彼のアンドロイド

 そこには金髪の女性に抱き付かれたセカンドがいて、光稀は愕然とした。
 やばい!
 隣を見ると、音緒が目を丸くして硬直し、セカンドと女性を見つめていた。

***

 光稀に外出を命じられたセカンドは、駅前を歩いていた。
 目的などなにもないから、ただ歩いている。カフェにでも行けと言われたが、自分は飲食ができないから非効率だ。人間はこういうときウィンドウショッピングをしたりするはずだ。音緒に似合う服でも探そうかと思考し、駅前のデパートをうろついた。

 光稀に言われた一時間を超えてもじっくりと音緒に似合うものを探す。渡された一万円ではとうてい足りないから、内蔵された通信システムでネットに接続し、ネットショップで同じものを探して光稀のアカウントで勝手に買った。余計なことをするなと言われているが、音緒のための買い物なら余計なことではない。シミュレーションによれば音緒はプレゼントに大喜びしてくれるはずだった。

 デパートを出ると帰宅を検討した。自分の計算ではそろそろ光稀たちが食事を終えて帰るころだ。その前には自宅で待機していたい。
『光稀! 奇遇だわ!』
 英語で言われて振り向くと、金髪の女性が笑顔で駆け寄って来るところだった。
 データにない人物に、セカンドは首をかしげた。

『どちら様ですか?』
 セカンドは英語で返す。

『私を忘れたと言うの?』
『そもそも記録にありません』

『私たちの関係って、記録に残すようなものじゃないでしょう?』
 艶やかな目で見つめられ、セカンドは首をかしげた。