私と彼と彼のアンドロイド

「どうして水族館に? 掃除は?」
「……天気が良かったから、出かけたくなって」

「それならそうと連絡してほしい。帰ってきたら君たちはいないし、祥吾からメッセージが来てるしで驚いたよ」
「丘山さんから……」

「セカンドが僕のふりをしてたみたいだね」
「バレると厄介だってセカンドに言われて」
 しょんぼりと答えると、光稀はため息をこぼした。

「あいつ……」
「ごめんなさい。セカンドは悪くないの、私が行きたいって言ったから」
「誰が悪いとかじゃなくて、『黙って』行くのが良くない」
 黙って、を強調した光稀に音緒は彼を見た。

「子どもみたいに行き先を言わないといけないの?」
「大人でも家族なら心配になるのは普通だよ。しかもセカンドを連れて行って……」
 言いかけて、光稀は軽く首を振る。

「いや、悪いのは僕だ。セカンドを家に置いていたからダメなんだ」
 音緒の胸がずきっと痛んだ。
 自分を責めてくれない。ひとりの大人としての責任を負わせてもらえない。

「……光稀さんは?」
 思いがけずこぼれた音緒の声は泣きそうだった。
「勝手なことしたのは悪いけど、光稀さんは? 嘘をついてホテルに行ったのよね?」

「誰からそれを!?」
 言ってから、光稀はハッと口を手に当てる。

「誰といたの? まさか女の人!?」
「いや、仕事で……」
 狼狽する光稀に、音緒は顔を険しくした。否定しないのだから、本当に女の人なのだろう。