数十分後、光稀は慌てて駆けつけて来た。
リビングでセカンドと一緒にテレビを見ていた音緒は、すぐに立ち上がった。
「おかえりなさい」
「ただいま。セカンド、どうして勝手に動いた!?」
挨拶もそこそこに、光稀はセカンドを責める。
「僕は自律型アンドロイドだ。オリジナルのパターンをもとに行動した。時間があれば音緒ちゃんに会いに来るのは当然のこと」
「お前なあ!」
光稀が大声を出すので、音緒はびくっとした。
「やめてくれ。音緒ちゃんが怖がっている」
音緒をかばうように立つセカンドに、光稀はさらにいらだった様子を見せた。
「誰のせいだと思ってるんだ!」
「僕のせいではない」
真っ向から反論するセカンドに、光稀のこめかみがぴきっと怒りに動く。
「勝手に僕のメアドも使っただろ」
「僕にネットを内蔵してくれてありがとう、光稀」
セカンドはにっこりと笑う。
「もう二度と勝手に使うな」
「僕は光稀とイコールなのに」
「埒があかない」
納得しないセカンドに光稀は苛立つ。
「セカンドはどうして私に会いに来たの?」
音緒の声に、光稀ははっとしたが、止める間もなくセカンドが話し始める。
「あなたを愛しているから」
さらっと答えるセカンドに、音緒はどきっとして彼を見た。

