「迫る練習をしてもいいかもね」
「それはできる気がしない」
もじもじする音緒に、希世はタブレットのペンをびし! と音緒につきつける。
「ずっと愚痴を聞いて来たけど、待ちの姿勢がよくないと思うんだよね!」
「う、うん……」
「例えば私はマンガ家になりたい。けど描いてるだけじゃどこの出版社にも拾ってもらえない!」
「ネットにはよく上げてるんだよね。行動的ですごいよ」
「それだけじゃ足りない。だから私はアンドロイドが出て来るBLを描いてコンテストに投稿する!」
音緒は気圧されて目を白黒させた。
「……がんばってね」
「だからあんたもがんばるのよ!」
「え、あ、うん……」
音緒が言うと、希世はにかっと笑い、大翔は呆れて肩をすくめた。
家に帰った音緒は、いい匂いが漂っていることに驚いてダイニングキッチンに行った。
エプロンをつけて料理をしている光稀がいて、振り返るとにこっと笑った。
「お帰りなさい、音緒ちゃん。ごはんは作っておきました」
口調に違和感があって、それではっと気が付く。
「セカンド……さん?」
「呼び捨てで構いませんよ。ごはんにはまだ早いですね。あなたに会えるのが嬉しくてつい作ってしまいました」
「ありがとう」
彼の笑顔は前より自然で、光稀と同じ顔と声で会えるのが嬉しいなんて言われると、どきっとしてしまう。
「それはできる気がしない」
もじもじする音緒に、希世はタブレットのペンをびし! と音緒につきつける。
「ずっと愚痴を聞いて来たけど、待ちの姿勢がよくないと思うんだよね!」
「う、うん……」
「例えば私はマンガ家になりたい。けど描いてるだけじゃどこの出版社にも拾ってもらえない!」
「ネットにはよく上げてるんだよね。行動的ですごいよ」
「それだけじゃ足りない。だから私はアンドロイドが出て来るBLを描いてコンテストに投稿する!」
音緒は気圧されて目を白黒させた。
「……がんばってね」
「だからあんたもがんばるのよ!」
「え、あ、うん……」
音緒が言うと、希世はにかっと笑い、大翔は呆れて肩をすくめた。
家に帰った音緒は、いい匂いが漂っていることに驚いてダイニングキッチンに行った。
エプロンをつけて料理をしている光稀がいて、振り返るとにこっと笑った。
「お帰りなさい、音緒ちゃん。ごはんは作っておきました」
口調に違和感があって、それではっと気が付く。
「セカンド……さん?」
「呼び捨てで構いませんよ。ごはんにはまだ早いですね。あなたに会えるのが嬉しくてつい作ってしまいました」
「ありがとう」
彼の笑顔は前より自然で、光稀と同じ顔と声で会えるのが嬉しいなんて言われると、どきっとしてしまう。

