十三日目の火曜夕方。
いつものように18時頃、秀人がコンビニ前へ向かうと、浪はすでにベンチに座っていた。
いつもと同じ場所、同じ姿勢。
だが、どこか雰囲気が違って見えた。
街灯の明かりがフードの影を長く伸ばし、その下の表情は見えにくい。
けれど、肩の力の抜け方や、足の動きの落ち着かなさで、何かが違うとわかる。
「今日は元気?」
浪がいつものように声をかけた。
けれど、その声にはどこか無理に明るさを装った響きがあった。
秀人は一瞬迷い、いつものように微笑んで答える。
「うん。元気だよ」
浪はその言葉に、少しだけ安心したように頷いた。
だが、その表情にはどこか影が差している。
手の中で転がす缶ジュースの音が、いつもより軽く響いた。
「そっちは?」と秀人が返すと、浪は一拍置いて「元気」と言った。
その短い言葉の後、2人の間には風の音だけが残る。
秀人は問いかけたい気持ちを抑えながら、ただ隣に座った。
空を見上げると、うっすらと夜の色が滲み始めている。浪は視線を落としたまま、缶の口を指先でいじっていた。
ほんの少しの沈黙が流れ、浪が小さく息を吐く。
「……最近、夜が少し長く感じるんだ」
それは独り言のような声だった。
秀人は何も言わず、ただその言葉を受け止めるように視線を向けた。
二人の間を通り抜ける風が冷たくて、どこか遠くまで続いていくように感じられた。
いつものように18時頃、秀人がコンビニ前へ向かうと、浪はすでにベンチに座っていた。
いつもと同じ場所、同じ姿勢。
だが、どこか雰囲気が違って見えた。
街灯の明かりがフードの影を長く伸ばし、その下の表情は見えにくい。
けれど、肩の力の抜け方や、足の動きの落ち着かなさで、何かが違うとわかる。
「今日は元気?」
浪がいつものように声をかけた。
けれど、その声にはどこか無理に明るさを装った響きがあった。
秀人は一瞬迷い、いつものように微笑んで答える。
「うん。元気だよ」
浪はその言葉に、少しだけ安心したように頷いた。
だが、その表情にはどこか影が差している。
手の中で転がす缶ジュースの音が、いつもより軽く響いた。
「そっちは?」と秀人が返すと、浪は一拍置いて「元気」と言った。
その短い言葉の後、2人の間には風の音だけが残る。
秀人は問いかけたい気持ちを抑えながら、ただ隣に座った。
空を見上げると、うっすらと夜の色が滲み始めている。浪は視線を落としたまま、缶の口を指先でいじっていた。
ほんの少しの沈黙が流れ、浪が小さく息を吐く。
「……最近、夜が少し長く感じるんだ」
それは独り言のような声だった。
秀人は何も言わず、ただその言葉を受け止めるように視線を向けた。
二人の間を通り抜ける風が冷たくて、どこか遠くまで続いていくように感じられた。
