響け!永遠のレガート

「ファスベンダー卿はメレ国に留学してそのまま結婚したからね。メレ国の政界で働いていた時期も長いんだ」

「そうだったんですね」

レオンハルトの脳裏に、リズの腕を掴んで話しかけるジョセフの顔が浮かぶ。その顔は強張り、目は獲物を狙う猛獣のようにギラギラと輝いていた。

(あれはただの世間話をしていたようには見えないが……)

リズも怯えていた。ずっと震える彼女の体を、レオンハルトは抱き締めていた。その温もりはまだ覚えている。

「レオン、酒の酔いが回ったか?」

「えっ?」

ルートヴィッヒに見つめられ、レオンハルトは自身の頰に触れる。お酒には強い方なのだが、レオンハルトの顔はやけに熱かった。



それから数日後、レオンハルトは探偵社員全員を連れて隣街へやって来ていた。隣街では今日、祭りが開かれている。会場には多くの出店などが並び、人で賑わっていた。

「ねぇねぇ、あそこ行きましょ!」

マーガレット・アンバーがある店を指差す。ピンク色の可愛らしい外観をしたカフェだ。