響け!永遠のレガート

部屋を訪ねてきたのはオルハンだった。パジャマから服に着替えをすでに済ませているオルハンは、ドアを開けたレオンハルトを見て苦笑する。オルハンの華奢な指がレオンハルトの目の下をなぞった。

「隈ができているよ。また眠らずに考え込んでいたんだね。せっかくの綺麗な顔が台無しだよ」

「警護の依頼を受けた直後に起きた出来事だったからね。考えずにはいられなかったんだ」

「ずっと寝ないで調査をしていたら体が持たないよ。リズにも無茶をしないように言われたばかりじゃないか」

オルハンの一言で、レオンハルトの頭の中にリズが浮かぶ。顔に熱が集まるのを感じた。

「……今日の夜は寝るように心がけるよ」

「きちんとレオンが寝ているかどうか、幽霊たちに見てもらおうかな」

オルハンはそう言った後、「そろそろ着替えて朝ご飯を食べよう」と真剣な表情で言う。レオンハルトも頷いた。今日はフランチェスカの仕事に一日付き添うのだ。

(最悪なことが何も起きなければいいが……)

レオンハルトはドアを閉め、パジャマからスーツへと着替え始めた。