リズたちを家に帰した後、レオンハルトとオルハンは辻馬車に乗り込んだ。レオンハルトたちが乗る馬車の前には、フランチェスカとルチアーノが乗っている馬車が走っている。
(さて、何も起きなければいいが……)
レオンハルトは馬車から目を離すことなく見つめる。いつ、どのように犯人が現れるかわからない。オルハンが影の中から幽霊を出した。
「この子たちにも警護をしてもらうよ」
オルハンが指示を出すと、幽霊たちは馬車の外に出て行く。そして、フランチェスカたちが乗る馬車に張り付いた。
「これで犯人は簡単に手は出せないはずだよ」
「オルハン、ありがとう。ただ警戒はしておくよ」
馬車からレオンハルトは目を離さなかった。しかし、何事も起こることなくフランチェスカとルチアーノを乗せた馬車はとある屋敷に到着する。フランチェスカが両親と住んでいるカルディナーレ邸だ。
「さすが有名オペラ歌手の住んでいる家だねぇ。手入れが色々と大変そうだ」
オルハンが豪邸を見上げながら息を吐く。馬車から出たフランチェスカを、大勢の使用人が出迎える。


