響け!永遠のレガート

マーガレットは喜びのあまり目に涙を浮かべていた。そんな彼女をフランチェスカは微笑んで見つめている。すると、その場に「コホン」とわざとらしいほど大きな咳払いが響いた。レオンハルトたちではない。

「フランチェスカ。探偵さんに事情を話さないとダメだろ」

ドアの前に気付けば一人の男性が立っていた。少し癖のあるオレンジがかった髪とハシバミ色の瞳を持った彼は、レオンハルトを少し警戒した様子で見ている。本当にレオンハルトが探偵かどうか怪しんでいるようにも見えた。

「あいつ、気配を全く感じなかった。相当強いぜ」

腕っぷしにはそれなりに長けているアントーニョが声を潜めて言う。レオンハルトも「だろうね」と頷いた。

(体の重心に一切のブレがない。いつでも私たちを攻撃できるように体制を整えてある。強さは特殊軍人並みか、それ以上か……)

レオンハルトはシルクハットを取り、ボウ・アンド・スクレープをし、自身の名を名乗る。

「お初にお目にかかります。私はレオンハルト・ジッキンゲン。探偵です。以後、お見知り置きください」