響け!永遠のレガート

レオンハルトが言うと、リズは耳まで赤く染めた。そして「ありがとうございます……」と小さく返ってくる。レオンハルトは微笑み、またステージに顔を向けた。

バレエ、楽器演奏、演劇、ステージでは様々なことが催されていく。どの演目も素晴らしいものだった。

(さすが音楽の国だな。どれもレベルが高い)

いよいよ最後の演目になった。司会者が声を張り上げる。

「ステージの最後を飾ってくれるのはこの方です!どうぞ!」

ステージに現れたのは、華やかなピンク色のロングドレスを着た美しい女性だった。長いチョコレートブラウンの髪を緩く巻き、豪華な花飾りを頭につけている。

「あの人、オペラ歌手のフランチェスカ・カルディナーレよ!」

マーガレットが口元を押さえながら言う。その目は驚きで満ちていた。レオンハルトも内心驚きがあった。有名オペラ歌手であるフランチェスカが、まさか一般ゲストも多く出場するステージに立つとは誰も予想しないだろう。