この命のすべてで、君を想いたい

テスト前の放課後、

教室にはまだ明るい午後の日差しが差し込み、机を囲んだ五人の間にはほどよい緊張と集中の空気が漂っていた。


黒板にはまだ授業の名残が残り、ノートや参考書が広げられている。



「この問題、どうやって解くんだっけ」
と裕大が眉を寄せる。


「まず公式を整理してみよう」

と空が静かに声をかける。


手元のノートを見せながら、
順を追って解き方を説明する。



裕大は少しうなずきながらメモを取り、つまずいたところを雫に軽く聞く。

「ここはこうすればいいんだよ」

と雫が答える。

裕大は「なるほどー」と笑いながらペンを走らせる。



空は時折雫の手元に視線を落として、指示が必要なところをそっと補足する。

「この計算、ちょっと面倒だな〜」
と沙月が小声でつぶやくと、



「順を追えば割と簡単だよ」
蓮太郎は顔を上げて落ち着いた声で返す。


沙月は「へえー、なるほど!」と笑い、
二人で確認し合いながら進めている。



裕大は何度も手を止めては空や雫に質問をし、みんなはそのたびに柔らかく教えてくれる。



誰もが急かしたりせず、自然にペースを合わせているのが心地よかった。


「空、ここってどうやるの?」
雫が少し困った顔で聞くと、空は手元のノートをさっと指差しながら説明する。


雫はうなずき、
書き込みながら「ああ、そうか」と声を漏らす。



その様子に、空はほんの少し笑みを浮かべる。


沙月は隣の蓮太郎に「ここって合ってる?」と聞き、蓮太郎は静かに確認してから「うん、大丈夫」と答える。

二人は言葉少なに進めながらも、互いの理解度を確認し合う安心感があった。