それからの日々は、あっという間に過ぎていった。

朝は二人で眠そうに目をこすりながら並んで歯を磨き、
昼はコタツでみかんを分け合いながら映画を観る。

時々、雫が作る料理を空が隣で手伝い、失敗して笑い合う日もあった。


外は雪がちらつくこともあり、

買い物の帰り道にコンビニの前で缶ココアを分け合ったり、

空が寒がる雫の手を自分のポケットに入れてあげたり。


その後はパジャマ姿でゲームをしたり、

お互いの好きな音楽を聴いたり。



どの日も小さな出来事ばかりなのに、どれも幸せだった。

『なんか、時間が止まればいいのにな』


雫がぽつりと呟くと、空は静かに笑って言う。


「止まらなくていいよ。だって、これからもずっと一緒にいられるから」


『……うん、そうだね』


二人の間に、冬の夜の静けさが降りてくる。
窓の外では雪がほんの少し舞っていて、部屋の灯りがその一粒一粒をやさしく照らしていた。






一緒に過ごす時間を重ねる毎に二人の関係は深まっていく。



でも、どんな日が続いても、この穏やかな時間だけは、



きっとずっと二人の中に残っていくのだと思えた。