「……あったかいね」
『うん……』
「なんか温かいの飲もう、準備するよ」
空がキッチンを見ながら、柔らかく声をかける。
「お湯、俺が沸かしてもいい? 無理しなくて大丈夫だから」
雫はびっくりしつつも、ほっとして小さくうなずく。
『うん……お願い』
私のトラウマを空は忘れていなかった。
空は自然な動作でカップを取り出し、
火の加減や距離に気を配りながら慎重にお湯を沸かす。
雫はその様子を安心して見守る。
「はい、できたよ」
空はソファまで戻り、笑顔でカップを差し出す。
『ありがとう……』
「どういたしまして。ゆっくり飲もうね」
再び肩を寄せ、
手をつなぎながら温かい飲み物を楽しむ二人。
雫は心から安心し、空の優しさに包まれる。
空は時折、
雫の髪や肩にそっと触れ、
手を絡めてくる。
雫は思わず小さく笑みを浮かべながら、その温もりに甘えてしまう。
「今日、楽しかった?」
『うん……すごく……』
空は微笑み、肩に頭を寄せる。
「俺も。雫と一緒にいるだけで、ずっと楽しい」
指先を絡めたまま、空は少し体を寄せ、ほおに軽くキスを落とす。
雫は目を閉じ、幸せな吐息を漏らす。
「……ずっと、このままでいたいな」
『うん……私も』
2人は何度も同じやり取りをしていた。
何度でも同じやり取りをしたかった。
