この命のすべてで、君を想いたい


次に向かったのは展示コーナー。
文化部の手作り作品や写真展が並んでいて、二人で見て回る。



『これ空だね』

写真部が撮った体育祭での写真に空がでかでかと写っている。

「ほんとだ、めっちゃ俺」

それは少し照れつつも優しく笑いながらそう言う。


“ 1年の部 優勝”と書かれたトロフィーを青空に大きく掲げて笑顔で笑う空の写真だった。


『この空かっこいいね』

茶化すように雫は言う。


「なに〜急に照れるじゃん」

少し顔を赤くして、空が答える。


『これって購入できる?』

少しおちゃらけて雫が言う。



「出来ませーん、でもその代わりにいくらでも撮らせてあげます」


空は写真と同じポーズをして写真よりもいい笑顔で笑いながら言った。





少し歩くと、フォトブースがあった。

「せっかくだし、写真撮りますか?無料ですよ〜」

空が提案する。
雫は笑いながら小さくうなずき、
二人並んでカメラの前に立つ。


空は自然に雫の肩に腕を添え、距離感を近く保ちながら笑顔を見せる。


空はそっと雫の手を握る。


「今日は一緒に回れてよかった」


その言葉に、雫は小さく頷く。胸がじんわり温かくなるのを感じた。