この命のすべてで、君を想いたい

それぞれが担当していた時間が終わると、

二人は校舎を出て、

少し離れた場所にある模擬店や展示コーナーへ向かった。


人混みの中を歩きながら、空はさりげなく雫の肩に手を添え、

タイミングを見計らうように手を繋ぐ。


『学校だよ……』
雫の心は小さく跳ねる。

照れ隠しに少し俯くと、空はにこっと笑い、手を握る力を少しだけ強める。


「こっちの屋台、面白そうだよ」

空は焼きそばの匂いが漂う屋台や、射的の店を指差す。


『うん、行ってみよう』


雫も頷く。空と一緒だと、どこへ行くのも特別に感じられた。

射的を楽しむ二人。


雫が一発で景品を倒すと、空は嬉しそうに拍手する。

「すごい!雫、センスあるな!」

『え……ありがとう』


雫はちょっと照れながらも、心の奥で嬉しくてにやりとしてしまう。