この命のすべてで、君を想いたい

風が吹き、髪が少し乱れる。


空が自然に手を伸ばし、耳にかかった髪をそっと直してくれる。


その仕草があまりにも優しくて、雫は何も言えなくなった。


「……雫」


呼ばれた名前に、顔を上げる。




至近距離で見た空の瞳は、どこまでもまっすぐで、嘘がひとつもなかった。



雫は胸の奥がまた跳ねた。
けれど、怖くはなかった。


空と一緒にいるこの瞬間が、

ただ幸せで仕方なかった。



ゆっくりと、目を閉じる。
次の瞬間、柔らかい温もりが唇に触れた。