雫は金魚すくいの屋台に目を奪われていた。
「やってみたい?」
その様子に気づいて空が声をかける。
『うん、やりたい!』
雫は手を伸ばすが、金魚をすくうのは意外と難しく、
何度か水に金魚を逃がしてしまう。
空はそのたびにさりげなく手を添えて、金魚を逃がさないようにする。
「……こうやるといいんだよ」
「うん……ありがとう」
手を重ねるたび、雫の頬は赤くなる。
「雫...結局取れなくてごめん、、、」
結局金魚は1匹も取れなかったが、雫の心は充実感で満たされていた。
二人は焼きそばの屋台の前で立ち止まる。
香ばしい匂いに誘われ、二人で焼きそばを分け合う。
空は自然に雫のペースに合わせて、彼女が食べやすいように少しずつ手を添える。
言葉は少なくても、空の意図や気持ちはすぐに伝わる。
