次の日、空は快晴。
昨日借りた青空柄の傘を手に学校へ向かう。


海辺を歩きながら昨日のことを思い出す。
…傘、返さなきゃ
手に持った青空柄の傘をぎゅっと握る。

なんだかまだ少し夢みたいに感じた。



歩きながら、門のそばに沙月の姿が見えた。

「雫!その傘、かわいい!」
天真爛漫な沙月が駆け寄ってくる。

『昨日、借りたんだ』

「えー!!誰から?」

『同じ学校ってことしかわからない。』

「なんで!?名前聞かなかったのー?」

『うん、すぐ行っちゃったから。』

「へーそうなんだ、じゃあ今日一緒に探さなきゃね!」


沙月は興味津々で質問攻め。
雫はその全てに答えてあげたかったが、
とにかく情報がないため何も答えられなかった。


私はこの傘を返す気で持ってきては居たが、心底気に入っていたので本当は返すのが名残惜しかった。