この命のすべてで、君を想いたい

二人きりになった途端、雫の胸は少しドキドキする。



駅前から家の方へ二人で歩くと
人混みのざわめきや笑い声が遠くに聞こえる。


雫の肩は少しだけ緊張していて、けれどどこか安心している自分にも気づく。


「雫、今日、楽しかった?」

空がいつもの柔らかな声で尋ねる。

『う、うん……楽しかったよ』


雫は少し俯きながら答える。

空の前で言葉にすると恥ずかしくて、顔が熱くなる。



「そうか、よかった。」
空は軽く肩に触れるようにして満足そうに頷く。

その距離感と気遣いが、雫の胸をぎゅっと掴んでいく。


『……うん、ありがとう、空』


言葉は少なめでも、心はしっかり伝わる。

雫は今まで、自分からこういうことを言うのは苦手だった。

でも、今日の空の優しさに触れて、どうしても伝えたくなる気持ちが込み上げる。