夏休みに入った翌日、雫は少しそわそわしていた。



昨日の放課後、空が自然に「夏休みもたくさん会おう」と言ってくれたことが頭から離れない。



さっそく今日、連絡が来たので準備をして集合場所へ向かう。

足取りは軽く、雫の表情は何となく軽い。


『おまたせ。』

集合場所にいる空に声をかける。
私服の空に心がきゅんとする。


「俺も今来たところだから、みんな来るまで二人で待ってよ」


『……あ、今日って……二人じゃないの?』

「ん?ああ、今日はみんなで行く予定だよ」


私はてっきり二人でどこかに行くと期待してしまっていた。

確かに別にふたりでとは言われてなかったか。


空の笑顔は変わらず自然で、雫の小さな期待をさらっとかわす。


『そ、そっか……』


小さく息を吐き、顔を少し背ける。心の中ではほんの少し残念に思っていた。

空と一緒に遊べるなら、まあいいか…