この命のすべてで、君を想いたい

それでも――俺は生きていく。




雫が残してくれた想いが、俺を前に押し出してくれるから。


泣いて、立ち止まって、それでもまた歩き出す力を、


雫は最後まで俺にくれたんだ。




俺は、空を見上げた。


青でも、灰色でも、黒でもいい。
どんな空の下でも、俺は俺の人生を続けていく。




雫と出会った場所に着くと、潮風が頬を撫でた。
雫とよく見たあの海が、今日も変わらず光っている。




手に握る青空柄の傘に、力が入る。

雫が最後に残してくれた、たったひとつの“形あるもの”。




「……雫、届いたよ。ちゃんと前に進めた。」



風が吹き抜け、コートが揺れる。
まるで返事みたいに、やさしく。