風がやさしく顔を撫でる青空の下、俺は深く息を吸った。



あの日の屋上の夕日も、病室の静けさも、
雫の温もりも、まだ胸に焼きついている。



立ち直るには時間がかかった。



あいつがいなくなったあの日から、毎日が重くて、息をするのもやっとだった。


泣いて、悔やんで、どうしようもない孤独に押し潰されそうになった。




でも、蓮太郎や沙月、裕大に支えられて、
雫が残してくれた言葉を胸に、少しずつ歩き出した。