この命のすべてで、君を想いたい

泣き崩れそうになる俺の手から、

蓮太郎はそっとメモを取って、
胸のあたりに押し当てた。



「空……雫は“お前の人生を終わらせるために”愛したんじゃない。“続いてほしいから”愛したんだ。」



涙が止まらなかった。



息も苦しかった。
それでも蓮太郎の言葉が胸に沁みて消えない。



「……ひとりで抱えんな。俺たちがいる。
雫に頼まれてる。お前を支えるってな。」



蓮太郎の声は冷静で、
いつもどおりかのに、
なによりもあたたかかった。



「……空。雫に生かされた命なんだ。
 放り出すな。」




そして俺は、
メモを胸に、声をあげて泣いた。





雫の愛がこんな形で触れてくるなんて想像してなくて、



でも確かに、生きろと背中を押されている気がした。