携帯を開いて、


雫とのトーク履歴を何度も見返す。
笑ってた言葉も、ふざけてた文章も、
全部が遠くて、もう触れられない。






『……雫、会いたいよ……』






涙が頬を伝う。


止めようとしても止まらない。
息をすると胸の奥が痛む。




会いたい。


声を聞きたい。


頬に触れたい。


あの小さな笑顔を、もう一度だけ見たい。




どうしても誤魔化せない。



部屋の空気全部が、雫のいないことを突きつけてくる。



「……どうして……どこにもいないんだよ……」




呼んでも返事がない現実が、何度も胸を刺す。


それでも呼ばずにはいられない。



会いたい。


本当に、会いたい。




いつでも願ってしまう。



朝、目を開けたら
雫が隣に座っていてくれればいいのにって。




叶わないと分かってても、


心の奥が勝手に叫ぶ。