この命のすべてで、君を想いたい

静かだった。


酸素の機械の音だけが、遠くでかすかに鳴っている。


その音に合わせるみたいに胸が上下するけれど、
もう自分の呼吸じゃないみたいに、体がふわふわしていた。




でも、目を開けなくてもすぐわかる。



私のまわりには、
空、沙月、蓮太郎、裕大――
大事に思ってくれた4人が揃っている。



「雫……聞こえる?」


空が泣きそうに笑って、私の手を握りしめている。


その温度で、自分がまだここにいることを実感する。




『……空……』

声が細くて、空気みたいに薄くて、
自分の声じゃないみたい。



届いているかもわからない。



でもみんなが身を乗り出すようにして、ちゃんと聞こうとしてくれる。
その姿が、あたたかくて、胸がじんわりする。





『ごめんね……みんな……
 泣かせたく……ない……』




沙月が首を横に振り、涙をこぼしながら私の手をさする。




「泣くに決まってんじゃん……
 雫……こんな頑張ってるんだもん……」



蓮太郎は唇を噛んでいて、
裕大は目を真っ赤にしながら腕で涙を拭っていた。