この命のすべてで、君を想いたい

ふと、空のほうを見ると、じっと私を見つめていた。



その目の奥に、言葉じゃないものがあふれていて、私は息を吸うのも忘れそうになる。




「空」と呼ぶと、
空はすぐに顔を近づけた。




その近さが、胸を締めつける。





『……ありがとうね』



ふいにそう言うと、空の眉が少しだけ揺れた。
涙をこらえているようにも見えた。



『今日、空と一緒に屋上で話せて……ほんとうによかった』




こんな穏やかな時間、もう何度もは望めない。



それを思うと、言葉の奥が震える。




『まだ……終わりたくないね』




心の奥にずっとしまっていた本音が、思わずこぼれた。



穴のあいた胸の奥から、まっすぐ空に向かって。 




空は苦しそうに笑って、手をぎゅっと握り返してくれた。





その強さに、胸が熱くなる。



この温度だけは、忘れたくない。







外では夜の気配がゆっくりと降りてきていた。

窓の外の灯りがぼんやり滲んで、その光が世界の輪郭を溶かしていく。


私はその景色を見ながら、静かに思った。




——空と過ごす時間は、
どんな瞬間も宝物だった。



——たとえ明日がどうなっても、
この瞬間は二度と消えない。



手を握り合いながら、私たちはただ夜の音に耳を澄ませていた。


言葉はいらなかった。