「雫といると、俺……ずっと救われてたんだよ」
その言葉に、息が震えた。
私のほうこそ、空に救われてきたのに。
空の存在だけで、どれだけ毎日が明るくなったか言いきれない。
「辛い時も、嫌な時もあっただろうに、いつも笑顔でいてくれて、あの笑顔だけで……“明日も頑張ろう”って自然に思えてた」
沈む夕日を背に、空の声が少し震えていた。
その震えが愛おしくて、苦しくて、胸がぎゅっとなる。
「雫が好きって言ってくれた全部、俺だって同じだよ。ちゃんと届いてた。気づいてた。大事にされてるって……ずっと思ってた」
——大事にしてた。
この人を好きになってよかったって、
いつも思ってた。
その全部がちゃんと届いてたなら、
それだけで報われる。
空は私の手をそっと引き寄せた。
その温もりだけで、心臓が軋むくらい幸せで、切なかった。
「雫は俺の人生を……
優しくしてくれた人なんだよ」
世界が一瞬静かになった。
空の言葉は、優しいのに胸に深く突き刺さる。
「ありがとう。生きてきてくれて……」
「俺に出会ってくれて」
「俺を好きでいてくれて」
空の言葉に、肩が小さく震えた。
涙なのか痛みなのか、もう自分でもわからない。
ただ――空がいてくれる。
それだけでよかった。
