この命のすべてで、君を想いたい

雫の言葉がすべて終わったあと、



しばらく風の音だけが二人の間を通り抜けていった。




夕日が沈みかけていて、




その光の中の雫は、やっぱり少しだけ透けて見えるほど細くて――
それでも誰より美しかった。




空は、ゆっくりと雫の手を握り直した。





それは、今日が最後かもしれないと知っている人の手つきだった。





しばらく沈黙のまま、



言葉を選んで、選んで、それでも震えてしまう声で空は話し始める。





「……雫」




空に名前を呼ばれただけで、胸が痛くなる。



こんなに優しい響きで私の名前を呼ぶのは、空だけだ。




「俺のほうこそ……雫に会えて、人生が変わったんだよ」



その言葉を聞いた瞬間、弱った身体の奥で、まだちゃんと空を受け止めたいと願う自分がいるのを感じた。



空が私を見つめてくれる。その目が揺れるたび、愛おしくて、胸がまた締めつけられる。