この命のすべてで、君を想いたい

夜の病室は、世界の音が全部遠くに沈んだみたいに静かだった。


点滴の滴る音さえ、もう夢の向こうみたいに遠い。



息をするたび、胸が軋む。

体の奥が冷えていく。


ああ――もうすぐなんだな、って、わかってしまう。



空は、向かいのベッドで本を閉じて、
ずっと私を見ていた。



その視線の奥にあるものは、全部わかった。




“終わりに向かってるんだ”って、

空も気づいてる。





『……空』




呼んだ声が震えたのは、苦しさじゃなくて、


“怖い”が喉でつまったから。





「どうした?」



目が合った瞬間、胸の奥がきゅっと締まった。



こんなに愛しい人の顔を、
あと何回ちゃんと見られるんだろう。