この命のすべてで、君を想いたい

部屋を出て扉が閉まる瞬間、
胸がきゅっと痛んだ。

――さっきの雫の姿が、焼きついて離れない。





三人で並んで歩き出す。
けれど誰も、すぐには口を開けなかった。




雫のあの姿が頭から離れない。




半分眠っているみたいにぼんやりして、

痛みに顔を歪めるたび、

空がすぐそばで支えて、

薬を飲むのも、自分じゃできなくて、

声も小さくて……。

――雫がこんなに弱ってきてるなんて


もう最期が近いのかもしれない。


胸がぎゅっと締めつけられたまま、息がうまくできない。




「……雫、さ……」



裕大がぽつりと口を開いた。



声はいつもより低くて、慎重で。



「今日、だいぶ弱ってたな……」



「うん……」


蓮太郎も笑顔を作ろうとしたけど、歪んだ。



「俺ら何も出来なかったなあ……」



二人とも、必死に“いつも通り”を保とうとしてるのが分かる。



でも――私は、もう無理だった。