この命のすべてで、君を想いたい

気がつくと、夜だった。

病室は静かで、非常灯の柔らかい光だけが天井に淡く広がっている。



空の気配がすぐ隣にあることで、いつもより夜が少しだけ優しく感じた。




今日の夕方、主治医の先生が空に向かってこう言ってくれた。



「夜間、そばにいるほうが安心できるなら……ご家族と同じ扱いで構いませんよ。ベッドは狭いですが、簡易ベッドを横に置きますから」




“家族扱い”という言葉に、空は少し驚いたように瞬きをして、すぐに深く頭を下げていた。




私はそのやりとりをぼんやり聞きながら、胸がじんと温かくなった。





――これで、夜も空が隣にいてくれる。



その安心感が、痛みよりも何よりも心を軽くしてくれた。




だから今、隣の簡易ベッドには空がいて、静かな息を立てて眠っている。






…はずなのに。






胸の奥に、また嫌な痛みがゆっくりと湧き上がってきた。